日々治療を行っている上で教えられることが多々ある。

おかげさまで今まで多くの経験を積ませて頂いた。

そんな中、痛烈に感じていることの一つをここで紹介させて頂く。

それは依頼者の99.9%の方々に感じる悪しき症状であり、異常がないのは概ね100人に1人いるかいないかの割合である。

ここまでくればもう完全に東洋医学的な現代病の一つである。

その症状が「百合が閉じてしまっている」あるいは「詰まってしまっている」というもの。

百合(ひゃくえ)とは概ね頭頂にあり、有名なツボでもあるのでご存知の方も多いはず。

正常な状態であれば百合から体内を環流した使用後の気が出てこなければならない。

使用後の気とは、言うなれば酸素を供給した後の静脈血に相当する。

ところが私に治療を依頼してこられる実に99.9…%の方々が百合から対外へ流出すべき気が出ていない。

あるいは、出ていてもほんのチョロチョロ状態。

百合そのものが詰まっている場合もあれば百合の手前の頭内部で詰まっている場合もあり、この状態が全身に様々な影響を及ぼしている。

百合の詰まりは当然脳の働きを阻害するのでうつ病などの精神的な症状となって現れやすいが、例えば高速道路で事故が起きて渋滞が発生した場合などは遠く後方まで影響が出るのと同じく、百合の詰まりが手先や足先に出ることもあるようだ。

そのようなことを過去の経験で痛感させて頂いたので、気功治療院白樺ではいかなる症状に対する治療であれ、最後は必ず百合から気がちゃんと対外へ出るように道を開くようにしている。

環流なきものは何事も不浄の始まりであり、現代人の99.9…%は気の出口が塞がって頭部が沼のように滞流して濁ってしまっている。

この状態が多くの現代病の根底にあるのではと思われる。

滞ってしまった沼に再び川の流れを引いて大海へ戻すこと、これが現代人に最も必要な東洋医学的処置であると日々の治療で痛感している。

何より頭部には視床下部、下垂体など極めて重要な部位が複数存在するので絶対にそこで気の流れを止めてしまってはいけない。

 

プロの治療家のために一言。

では、自分の治療院でも今日から百合に鍼や灸でもしてみよう、などと安直に考えては絶対にいけない。

それではかえって百合が閉じてしまう場合もある。

というか、十中八九さらに閉じてしまうだろう。

気功治療でよくある手のひらをかざしての補法も問題外。

なすべきは頭部の邪気を正確に把握して瀉法(しゃほう)によりピンポイントで抜くしかないわけだが、残念ながらこれをできる治療院がそう多くあるとも思えない。

よって、最も大事な処置ではあるが、そのまま放置しておくのが結局はあなたの患者のためということになるだろう。

 

この百合の開通処置は一度やったからといってそれで終わりではない。

そのまま放置すればまた徐々に流れが悪くなり、いずれは元の滞留状態に戻ってしまう。

ただし気功治療院白樺の場合、特に報告はしていないものの、百合の詰まりに対する処置は毎回必ず行っているのでご安心頂きたい。

白樺では依頼者の方から申告していなかった症状まで改善して不思議がられることが多いが、私はその理由の一つに百合に対する手当があると確信している。

 

百合を詰まらせないためには精神的なストレスをなくすことが一番だが、現代人にとってそれは無理な相談というものだろう。

日々仕事をしていれば、日々人と接していれば、あるいはテレビやSNSから、家族との余暇でさえ、要するにただ生きているだけで現代人は様々なストレスを知らぬ間に溜め込んでしまっている。

定期的にそれを抜くことは例外なく誰にとっても極めて重要なことであるが、残念ながら疎かにされてしまっているのが実情だ。

そこにこそ私のようなプロの存在価値もあろう。

 

追記

上記

「プロの治療家のために一言。

では、自分の治療院でも今日から百合に鍼や灸でもしてみよう、などと安直に考えては絶対にいけない。

それではかえって百合が閉じてしまう場合もある。

というか、十中八九さらに閉じてしまうだろう。」

についての補足。

百合(ひゃくえ)というツボの例えとしては「RPGのラスボス」が最も相応しいように思う。

すなわち、雑魚や中ボスを何度も何度も倒してやっとこさ現れる、そんな存在。

RPGでいきなりラスボスと対峙することがないのと同様、気功治療においてもいきなり百合に対して治療するなどということはあり得ない。

もし無理矢理に決行した場合、返り討ちに遭うのは必然だ。

この場合注意が必要なのは、返り討ちに遭うのは治療家ではなく患者さんであるということ。

かえって症状を悪化させてしまうのが関の山。

気功治療家には、

「それは好転反応です」

という格好の逃げ口上があるが、無謀な治療で更に症状が悪化した上にお金まで取られてはたまったものではない。

私の場合、百合のツボが開くまで、つまりは治療可能な状態になるまでに、人や症状によっても異なるが、だいたい20回程度、腹部その他の邪気を抜く必要がある。

そうすると、感覚的な表現になるが、かなり波動(振動、周波数)の高いところに百合のツボが現れる。

その反応を取れば、とりあえずは治療終了と考えても良いようだ。

「ようだ」というのは、そこまでやればその後腹部や手足の反応はほぼ出なくなるから。

そこで更に入念に反応を探ってみて何もなければ治療を終えている。

反対に、百合に対する治療をまだ行っていないにも関わらず何も反応が得られない場合、それは見落としを意味する。

よくよく(心眼で)探せば、必ず反応が見付かる。

根気よくそれらを取れば必ずラスボスたる百合の反応が現れる。

RPGのラスボスに例えたが、「倒した」という言葉を使うのは不適当だ。

倒したのであれば、二度と現れないが、そうはいかない。

また時間が経てば徐々に反応が戻ってくる。

それを何度も何度もコツコツと叩き続ける。

そうすると、ある時現れなくなる。

それを治癒という。