気功治療院白樺には繁忙期というものがある。

毎年、年明けから春先にかけていつも以上に治療依頼が殺到する。

その理由は受験生の生理痛治療及び花粉症対策/治療である。

口コミの連鎖によって今のこのような状況があるので、とてもありがたく思っている。

子供の頃、周りに花粉症の人などほぼいなかったように記憶しているが、今では花粉症でないほうがむしろラッキーというような時代になってきた。

冬から春への季節の移ろいは一年の中でも最もドラマチックな変化だと思うのだが、どうだろう?

花粉症によってそんな素敵な季節が苦痛でならないというのは本当に気の毒なことだ。

加えて、世の多くの人々が花粉症のつらい症状が気功治療で改善できることを知らないというのも、これまた本当に気の毒に思う。

白樺の場合、無料体験によるたった一度の治療で花粉症の症状がピタッと止まることさえある。

そんなわけで、私が言葉を掛けられる範囲の人物が花粉症で苦しんでいるのを見ると、

「俺が治そうか?」

などと、つい口から出そうになる。

けれども、その一言をぐっと飲み込む。

若い頃はこちらから治療を申し出たこともあった。

けれども、経験を積むに伴い、というよりも、治療家として成熟するに伴い、そういうおせっかいは一切しないことにした。

理由はいろいろとあるが、その一番は自分を大きく見せたいと思わなくなった、ということ。

誰しも、自分のことを凄い人物、特別な人物だと思われたいものだ。

若い頃の私は人を治癒し、感謝されることによってその欲求を満たそうとした。

だから、こちらから治療を申し出るようなこともした。

けれども、三十を過ぎた辺りから依頼がなければおせっかいな治療をしないようにした。

当たり前と言えば当たり前だが、今でも続いている私のルールである。

先方にはかかりつけの医師もいることだろうし、東洋医学など眉唾ものだと思っているかもしれない。

よって、身近な友人が腰痛などで苦しんでいても、

「治して欲しい...」

と、向こうから私に言わない限りは決して治療しない。

ただし、一言でも助けて欲しい旨の意志表示があれば全力で治療する。

今でもプライベートにおいて私の周りにはどこかしら不調を訴える者がたくさんいるが、肉親を除いてはみんな見て見ぬ振りをしている。

なればこそ、無料体験などで私に治療を依頼してこられる方々には強い縁というものを感じずにはいられない。

遠慮なく存分に腕を奮える喜びと共に、私が無視してきた人の分まで絶対に良くなって頂きたいと思っている。

私が一生で治療できる依頼者の数などたかだか知れている。

それだけに、お互いの人生が治療を媒介として交差する貴重な縁を感じずにはいられない。

日々そんな思いで治療させて頂いている。