長年、私は対面治療と遠隔治療に、
「効果の違いはありません」
と言い続けてきた。
白樺の場合、対面治療といったところで実質的に行っているのは距離1mでの遠隔治療であり、その説明は決して間違ってはいない。
しかしながら、ここにきて無視できない程度の治療効果の差を感じているので、一度はっきりと明言しておかねばならないと思った。
当コラムはその目的のためのものである。
今現在(2020年10月)、
「対面治療と遠隔治療において、どちらがより効果的なのか?」
と、問われれば、
「遠隔治療の方がより効果的です」
とお答えする。
理由は二つある。
一つ。
私は治療時間にとても厳しいので、対面治療において依頼者の方が遅刻をされた場合、その分治療の時間が短くなる。
「時間に余裕を持ってお越し下さい」
と、しつこいくらいにお願いしているが、人間誰しもたまには突発的な事情で遅れてしまうこともある。
が、そのような場合においても私は治療時間を厳守している。
11時の予約であれば、必ず11時に治療室に入って頂く。
これを曖昧にしてズルズルやってしまうと順番最後の方の治療が始まるのは一体何時になってしまうのか?
よって、大幅に遅れそうな場合はキャンセルして頂くことを強く強く推奨している。
そう申し上げている以上、治療直前の当日ドタキャンセルであれ、白樺の場合は料金を一円も頂戴していない。
以前、治療時間が残り10分のところで依頼者の方が到着されたことがある。
「残りの時間で治療しますか?それとも順番の最後まで待たれますか?」
と尋ねたところ、
「いま受けたい」
と、お答えになった。
そこで私が10分しか治療しなかったので、その方はたいそうお怒りになり、以来二度と私に治療を依頼してくることはなくなった。
対面治療の場合、談笑も大きな問題となる。
私も機械ではなし、治療前後の談笑には当然応じる。
それなしでは無味乾燥な雰囲気になってしまうので、決して無駄な時間とは言えない。
しかしながら、特にご婦人の中には治療以外でのお話が止まらない方もおられ、話を切り上げるのにしばしば苦労することがある。
要するに、対面治療では持ち時間の全てを治療に使えないということ。
これも治療効果に差が出る要因の一つではあるだろう。
ただし、次に挙げる決定的な要因に比べればこれらは大した問題ではない。
治療効果に差が出る要因、その二。
それは私の心身の状態にある。
最も理想的なのは、治療に集中できる好環境で実際に治療に集中することか?
心落ち着く静かな部屋で座り心地の良い椅子に腰を下ろし、目の前の依頼者から感じ取れる邪気に集中する。
それも悪くない。
実際に今までそうしてきた。
けれども、さらにそれよりも望ましい状態がある。
例えどんな環境下であろうとも、私がうつらうつらして半分寝かかっているような心身の状態で行う治療である。
人はそのような状態においては心身の活動が沈静化する反面、霊的な部分が活性化する。
これを霊主肉従の状態という。
人間うつらうつらしている時には自然と雑念も消え、いわば無心の状態に近い。
心身を活性化したまま、つまりは普通の状態で雑念をなくそうとしても至難の業だが、眠たくなってくると楽にそれができる。
したがって、七、八割程度寝かかった状態において残りの意識で治療を行うこと、これが白樺気功の極意の一つである。
世間一般の気功治療といえば患部に手をかざしてひたすら集中を続けるものだが、私が行っている治療はそれとは全く反対の、いわば脱力系気功術である。
私は日々の瞑想を日課としているが、瞑想を行って無心になろうとすると必ず眠たくなってくるので、ならばいっそのこと無心を目指すのではなく半睡状態を目標にしようと開き直ったのがそもそものきっかけであった。
半入眠状態での治療を始めて以来、不思議な出来事が頻発するようになった。
それが申込即治療でも紹介した依頼者の症状が勝手に治療される現象である。
治療効果において遠隔の方がより効果的であるのは、その方が私が半入眠状態に入りやすいから。
対面治療の場合、依頼者の目の前でとろりとした瞼をしながら治療できるものではない。
お子様のアトピー性皮膚炎の治療で親御さんの同席がある場合などはなおさらだ。
現在、親類縁者知人友人の協力を得て理想的な半入眠治療についての研究を行っており、これが目下の私の最優先課題でもある。
私の理想とするところが達成された場合、私はもはや気功治療家というよりも霊媒師ということになるのかもしれない。
最も、依頼者の苦痛が取り除かれるのであれば私の仕事の名称などは全くどうでもいいことである。