「私の症状は治りますか?」

「何回くらいで私の症状は治りますか?」

私が受ける質問で最も多いのがこれらの類であることはこちらのコラムで既に書いた。

では二番目に多く受ける質問は何か?

それは、

「どうしたら気功治療ができるようになりますか?」

「気功治療のやり方を教えて下さい」

というものである。

私の治療を受けて自分でもやってみたいと思われる方も時々おられる。

私の答えはいつも同じ。

「気功治療のやり方を誰かに教わることはできません」

日々治療で忙しい中での返事では丁寧な回答が難しいので、その真意をここで述べておくことにする。

ちなみに、私がここで言う気功治療とは邪気抜き、つまりはエネルギーの鬱積や停滞を除去する治療行為のことをいう。

患部に手をかざして自然治癒力を活性化するエネルギーを...

等々の素人療法が望みなら本一冊読んで明日にでも看板を挙げればいい。

私がここで言う気功治療とはあくまでも瀉法(しゃほう)によるエネルギーの鬱積や停滞の解消によってもたらされる治癒現象のこと。

結論から言えば、気功治療家と名乗っても恥ずかしくないレベルのプロになりたいのであれば、直接的に気功治療家を目指してはいけない。

最初に安易な道を選んでしまってはいつまで経っても二流どころか三流以下に甘んじることになる。

「急がば回れ!!」

私自身の経験からはっきりとそう言える。

ではどう回るのか?

経絡鍼灸師、又は経絡指圧師として治療経験を積み上げればいい。

そうして日々患者さんの身体及び症状と真剣に向き合っていれば、ある日突然、天からギフトを授かることになる。

目には見えない気の体において発生しているエネルギーの鬱積や停滞、すなわち邪気溜まりが(心の目で)見えるようになる。

昔の中国の医家には皆このような能力があった。

よって経絡というものが心眼ではっきりと見えたのである。

物質文明に毒された現代人が経絡を否定するのは実に笑止なこと。

一旦邪気が見えるようになれば治療は単純明快。

あとは鍼灸でも指圧でもレメディーでも気功でも漢方でも洋薬でもニンジンでもカボチャでも、とにかく何でもいいからその鬱積や停滞を解消すればいい。

その結果、エネルギー体の歪んだベクトルが修正されて自然治癒力が発動する。

エネルギーの鬱積や停滞が解消されない限り、自然治癒力はその効果を十分に発揮し得ない。

 

天からのギフト=心眼を授かるのに決して近道はない。

高額のセミナーやイニシエーションを受けたからといって手に入るものではない。

うまずたゆまず日々コツコツと治療経験を積み重ねることによってのみ天から授かるものである。

それ以外に手に入れる方法はないと断言する。

よって、

「気功治療家になりたいのであれば、先ずは経絡鍼灸師又は経絡指圧師になるべき」

というのが私からの具体的なアドバイスとなる。

真摯に患者さんの身体及び症状と向き合うのであれば西洋医師でも開眼するケースがあるようだ。

医師の著書を読んでいて、

「ああ、この人も私と同様に天からギフトを授かったのだな」

ということがわかる場合がある。

よって、先ずは医師を目指してもいいのだが、いかんせんハードルが高過ぎるし、鍼灸師や指圧師として日々経絡を意識しながら経験を積んだ方がより早くギフトを授かれるように思う。

回り道のように思われるかもしれないが、そうやって手にれたギフトは真に財産と呼べるものだ。

一旦そのギフトを手に入れたならば、何人もそれを奪うことはできない。

もしあなたが山奥に隠れたとしても患者の方からわんさか押し掛けてくる。

何より治療家として人生が豊かになる。

更には、天から授かったギフトによって社会に役立つということは現世において得を積むことになる。

まさにギフトには宝くじ一等賞当選以上の価値がある。

だからといって、ギフトを授かることは決して茨の道を歩む必要があるわけでもない。

少なくとも私は楽しかった。

もっとも、私の場合は特に心眼を手に入れようと努力したわけではなく、治療経験を積んでいる内に勝手に見えるようになったというのが真実だが。

高い志を持てば、誰にでも与えられるチャンスはあるだろう。

近道した者には決して与えられないことを胸に、ただ真剣に日々治療に励めばそれで良い。