毎年夏になると行きたくなる場所がある。

それが尾道。

過去、日本全国をあちこち巡ってきたが、個人的日本全国好きな街ランキングで言えば尾道は間違いなくベスト3に入る。

長崎もかなり上位なので、要するに俺は坂のある海の町が好きなのだろう...いや、それは違った。

函館の坂には尾道や長崎ほどの魅力を感じない。

確かに広々として美しいし、だから多数のCMの舞台にもなっているのだろうが、俺が魅力を感じるのは函館の坂とは正反対の細々グネグネと入り組んだ、車が入って来れないためにあちこち猫がうろちょろしているような、そんな坂が好きだ。

尾道のそれはまさに迷路である。

けれども、地図なしで適当に歩いたところでちゃんと千光寺に辿り着く。

千光寺から見下ろす尾道水道の絶景には格別なものがある。

いつまでも去りがたく、いつも後ろ髪を引かれる思いで階段を下りなければならない。

そんな尾道では毎夏水祭りなるものが催される。

イベントとしては花火大会の方が遙かにメジャーだが、俺は久保地区で地味に催される水祭りの方にとても惹かれる。

水祭りの描写については面倒なので割愛する。

行けばわかるさ、水祭り。

のんびり展示を楽しんだ後は会場の隅にあるお好み焼き屋に入り、ビールに枝豆、尾道焼き。

この店の尾道焼きは鉄板に直に提供されるスタイルだが、俺は大阪人であるのでコテの使い方は上手い。

祭りの生太鼓の音を聞きながら、つまりは箸を使わずに食べる。

そんな時間が年に一度の楽しみとして昔あった。

院が忙しくなってからというもの、そんな水祭りにも久しく行けなかったのだが、ついに我慢できなくなり、今年強引に日帰りで行ってきた。

久しぶりの久保地区は更に廃れているように感じられたが、水祭りも、お好み焼き屋も健在で心から嬉しかった。

派手さこそ皆無だし規模も月とスッポンではあるが、俺は祇園祭と同じくらいに水祭りが好きだ。

時間がある方にはすすめたい。