日曜日、準高級中華料理店で昼間にのんびり読書しながら紹興酒と料理を楽しんでいたら、気が付けば隣のテーブルに親子連れが座っていた。

若夫婦に保育園くらいの娘。

特に気に留めることもなく読書を続けていたのだが、蒸し鶏ネギソースを一切れ食べて紹興酒を口に運ぼうかというタイミングで、娘の、

「今度やったら許さないからねっ!」

という一言が耳に入っていた。

は?

何だ、この親に対するものの言い方は?

そこからというもの親が娘の機嫌を取るのに必死で、見ていて気の毒を通り越して何やら腹が立ってきた。

多少紹興酒の酔いもあったので、一言この親子連れに諭してやろうかとも思ったが、それをやってしまってはこっちも完全にイタいオヤジというか、俺ももう60歳なのでジジイと言うべきか。

あるいは、娘にとってはとても許し難いことを何かされた可能性もあるので、ここは見なかったことにして再び読書と料理を楽しむことにした。

今度は豚ひき肉のレタス包みを口に運んでから紹興酒を飲もうというところでその親子連れに料理が運ばれてきた。

と、娘が注文したらしいチャーハンに白髪ネギの飾りが添えられており、どうやら娘はネギが嫌いらしく、

「こんなの要らないっ!」

と言い始めた。

親が白髪ネギをどけようが態度は変わらずで、もしこれが我が娘であれば軽く頭をひっぱたいたことだろう。

少なくとも昭和世代バリバリの俺には全くあり得ない光景であった。

ちなみに我が家の息子たちには完全に鉄拳の俺だったが、これには正当な理由があって、息子たちへは幼少の頃から空手を教えていたのだが、俺の流派というのが極真会館でいわゆるフルコンタクトである。

さすがに顔面と急所攻撃はなしだが、逆に言えばそれ以外は殴り放題蹴り放題。

息子たちが小学五、六年になる頃からは俺も突きや蹴りをガンガン入れており、彼らにしてみれば圧倒的に強い存在であったので、自然と父親の威厳というものがそこにはあったのだと思う。

だから、そんな俺には上記のような親子関係がとても信じがたい。

子供が強くなったというよりも、大人が弱くなったのだと思う。

俺が見たその光景は完全に親が子に舐められていた。

大丈夫か、令和の子育て?