尾道についてとても大切なことを書き忘れていたので追記。
尾道の魅力は海、坂、千光寺、朱華園(現在は朱)の四つであるとは先に書いた通り。
よって、尾道に訪れたならば千光寺には必ずお参りして頂きたいわけだが、千光寺は山の上にあり、よって山頂までケーブルカーで登る方も少なくないようだ。
ケーブルカーが未だ運行していること自体が「少なくない」という事実を物語っている。
しかし、ケーブルカーで山頂まで登ってしまっては尾道の坂の魅力を全く味わえないことになる。
俺に言わせれば、それなしではもはや尾道に行ったとさえいえない。
脚や膝に難があるのであれば致し方ないが、また、運行会社には何の恨みがあるわけでもないが、千光寺へのお参りは登りも下りもケーブルカーに乗ってはいけない。
千光寺へは様々なルートのある坂道を適当に登り始め、時折振り返っては徐々に見晴らしが良くなっていく尾道水道の景色を楽しみ、車はおろか自転車も全く走っていない道中では必ず猫に遭遇するのでしばしじゃれあったり喉を撫でてやったり、再び歩き始めると「あまえ、どこまで付いてくるつもりや?」といつもの一言を発したり、歌人中村憲吉が住んでいた住居の質素なたたずまいに日本の美を見、千光寺手前の自販機でジュースを一気飲みし、そしてお参りしてこその坂道と千光寺、つまりは尾道である。
それらをすっ飛ばしてケーブルカーでお参りしても、例えればコース料理でメインだけ食べるような、そんな感覚だ。
もし千光寺へお参りされる際はどうぞご自分の脚で。
